1901年にフランス リモージュのTressemann&VOGTが製作したとても美しいペディスタルシェイプのカップ&ソーサーです。
カップはペディスタルシェイプと呼ばれる19世紀の貴婦人のようにワスプウェスト(蜂の腰)状にくびれたステムから、胴と脚に向かって優美な曲線を描いて広がり、砂時計型のシルエットを形作っています。
金彩で覆われたハンドルは断面が丸っこく角の無いデザインで全体の雰囲気によく合っています。
絵付けは全て職人のハンドペイントによるもので、大きく波打った淡いピンクと薄緑色のツートンカラーを背景に、美しい薔薇が描かれたカルトゥーシュがカップとソーサーにそれぞれ3つづつ配置されています。
カルトゥーシュの枠は細い盛り金で縁取られたアカンサス模様で出来ていて、縁取りの中はピンクとグリーンの配色が反転しています。
カルトゥーシュの中は薔薇の花が模様や柄というよりも、甘く良い香りに満たされた薔薇の庭を小窓に見立てたカルトゥーシュから眺めているような絵画的な表現で描かれています。
背景の色の境目を中心に、レースのように繊細でエレガントに白く立体的に盛り上がった装飾が施されており、カップの足の段差の付いた色の境目には小さな白いビジューが無数に並べられています。
カップ、ソーサー共にふちはゴールドトリムでカップの足のフチも金彩になっています。
カップの内側には金彩の唐草模様がこちらもハンドペイントで描きこまれています。
甘く柔らかい空気感のある色味、繊細でエレガントな装飾と優美なフォルム、そして香りが漂ってきそうなカルトゥーシュの中の薔薇の花たちがとても魅力的なリモージュ焼きのカップ&ソーサーです。
ソーサーの裏にグリーンで四角に囲まれたT&VとFRANCEのホールマークが入り、
反対側に絵付けを行ったペインターのサインがR.B.M そして1091と手書きで描きこまれています。
ホールマークは1892~1907年まで使用されたもので、マークとサインが逆さ向きになるのはT&Vによくみられる特徴です。
金彩も良く残っており、ひび、かけ貫入の無いエクセレントコンディションです。
生産地 フランス リモージュ
メーカー T&V Teressemann & Vogt
年代 1901年
サイズ カップ 口径9.7㎝
高さ6㎝
ソーサー 14.7㎝
容量 満水時180ml
通常時110ml
状態 エクセレントコンディション
Note: 表記についての補足説明